脳科学
223.幼児期に聞く言葉の数が、将来の学力の差を生む
脳の発達がほぼ完了する3歳までに言葉を聞かずに育った子どもは、言葉の習得が遅いだけでなく、生涯にわたって他者とコミュニケーションをうまくとれないことが多いようです。「3,000万語の格差」とは1990年代に社会学者のベテ […]
209.「ニューロダイバーシティ」と「学びの個性」
ニューロダイバーシティ(Neurodiversity、神経多様性)とは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違 […]
208.学習を支えるワーキングメモリ
ワーキングメモリは、数学や読解力等の学業成績と関連しています。(Bull & Scerif, 2001; Neveo & Brezniz, 2011など)APA PsycNet 情報を一時的に記憶して処理 […]
195.粘り強さと学力
一般的なイメージとして「粘り強さを持っているこどもは学力が高い」と思う方が多いでしょう。自分のこどもが粘り強さに欠けていると感じると、親としては「HOW」を求め、また粘り強さがスポーツやゲームで発揮されるこどもには、学習 […]
193.「記号接地」とワーキングメモリ
読解力や科学など多分野の学力が世界トップ級のフィンランドでは、学力テスト等の結果をもとに原因分析に力を入れています。対して日本は、学力テスト等の結果をもとにその対策に力を入れています。対策とは、点数を上げるために昔ながら […]
190.こどもの脳から大人の脳へ育つ3ステップ
本来的にこどもの脳は、生まれてから3つのステップを経て、大人の脳へと育っていきます。 ステップ1は、0歳から5歳くらいまでに育つ【からだの脳】です。これは主に間脳・脳幹のことで、呼吸や自律神経、寝る、食べるなど生きるため […]
187.極端な速読は科学的に不可能
情報が溢れる現代において情報を高速で処理できる能力をつけたいのは誰しもが望むことでしょう。情報化社会を生き抜くこどもたちにも必須の力として、一部の入試問題では超長文化される傾向があります。そこで「速読」が注目を集めて久し […]
186.繰り返し学んで脳に刻む「長期増強(LTP)」
私たちが「学習」という言葉を使う時、それは「お勉強」のことのみならず「経験」や「体験」等の意味が含まれています。私たちひとりひとりの指紋が異なるように、脳も一人ひとり異なり同じものはありません。様々な行動と反応が繰り返さ […]
184.実体験が脳神経を活性化させる
私たちはインターネット上に溢れる情報をソースとして日々の会話をすることが多々あります。仕事の場においてはネット上の情報をもとにサービス設計を組もうとする人がいます。「正解は何か?」「他社の事例は何か?」と、いきなり答えを […]
182.「楽器の演奏」は英語と理数系科目の成績を上げる研究
このほどカナダのブリティッシュコロンビア大学が実施した大規模調査で、楽器の演奏をたしなむ高校生は、音楽をやらない学生と比べて数学・科学・英語の成績が有意に高いという結果が出ました。これは音楽が発達中の脳に与えるよい影響を […]
178.成長を書き記す
好奇心をベースにいきいきと自ら学ぶこどもを育てるために「成長マインドセット」が重要です。「成長マインドセット」とは、自分の知性や能力が常に成長しうると考える心構えのことです。「成長マインドセット」を持っている人は、新しい […]
177.BRAIN TIMES
私たちインフィニットマインドのオウンドメディア「BRAIN TIMES」を公開しました。オウンドメディア(Owned Media)とは、自社で保有するメディアのことです。「BRAIN TIMES」は、こどもから大人まで、 […]
176.こどもの知的能力を高めるために
『全米トップ校が親に教える57のこと』 (星友啓著 SB新書)には、「さまざまな体験を通して心と体の能力も伸ばしていくことが、脳を効率良く成長させるベストなサポートであり、結果的に成績アップの近道にもなるのです」と書かれ […]
174.生活体験がこどもの脳を育てる
今年の7月は厳しい暑さを感じる中で突然スコールのように雨が降るなど、気候が不安定な日が続いています。夏休みに入ったこどもたちは、このような気候の変化などどこ吹く風で、僅かな晴れ間を見ては外に出て、おもいっきり汗をかく時間 […]
173.頭のよさとは何か
和田秀樹氏と中野信子氏の著書「頭のよさとは何か」(プレジデント社)には、『「頭のよさ」を語るならワーキングメモリを広げることが大事』であると書かれた一節があります。著書では、いろいろな人の多様な要素をワーキングメモリに乗 […]
172.使われなくなった脳
当時は特に不便を感じていなかったものが、ある商品やサービスの登場により「あの頃は不便だった」と振り返ることがよくあります。つまりは「便利になった」ということなのですが、便利になったことで失われるものもあります。 その一つ […]
170.「何もしない」時間も大切に
大人もこどもも日々を慌ただしく過ごす一方で、リラックスどころかさらなる刺激を求めて過ごしているような感覚に陥ることがあります。例えば、ひとりで没頭できる時間を過ごそうと横になってスマホを見るとそこには多くの情報が溢れてお […]
169.対話型AIと「主体性」
ジェネレーティブ(生成)AI・対話型AIの進化により、驚くべきサービスが続々と登場しています。ジェネレーティブAI」とは、「コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウト […]
163.読書活動の推進
「読書は良い」ことの裏付けは、脳神経科学の観点からも明らかになってきました。読書をたくさんしているこども達ほど神経線維ネットワークの結束力が強く、3年後の神経回路の発達度合いも大きくなることが分かっています。すなわち、読 […]
161.大人も語彙力
頂戴するメールへ返信をする際に、私は「無意識に」ある一定の表現を選んでいます。私なりに相手に失礼のないように使ってきた表現であるがゆえ、その表現を変える必要がないと「無意識に」判断して、いわば指先が「ほぼ無意識に」その表 […]
158.料理で脳を活性化
料理は五感すべてを使い、様々な情報を同時進行で処理しなければなりません。料理は脳の前頭前野を活性化させるのに最適であると言われています。最適であると言われている理由のひとつに以下のエピソードがあります。 脳科学者のペンフ […]
156.集中学習と分散学習
テスト前に徹夜をして何とか乗り切った経験は誰しもが持っているでしょう。ここで乗り切った経験により「わたしは間に合わせることができる(はずだ)」とテスト前の一夜漬けが習慣化するケースがあるようです。しかし、私たちは薄々それ […]
151.「入門集中」とは
東京にある学研本社ビルにて青砥瑞人さんからお話を伺ってきました。今回は、その中から「集中力」に関するお話の一部を青砥さんの著書『4 Focus脳が冴えわたる4つの集中』(KADOKAWA)で解説されている内容と合わせて編 […]
147.家庭で学習効果を高める「デュアルコーディング」
ご家庭で効果的な学習ができるようにする、「科学的エビデンスに基づく学習方法」をご紹介します。ご紹介するのは「デュアルコーディング(二重符号化)」と呼ばれるものです。難しい表現ですが、ポイントは以下の通りです。 ・簡単な絵 […]
146.好奇心と幸福感
こちらはunicefの報告書「レポートカード16」にある、先進国の子どもの幸福度(2020年9月)に関するグラフです。 この調査結果を大人は真摯に受け止めたいものです。 まず、子どもの「好奇心を大切にする」大人の姿勢が問 […]
144.「あいさつ」と脳の発達
哲学者・教育者の(故)森信三氏は「しつけの三原則」を提唱されました。 ・あいさつ…人より先に挨拶をすること・返事…呼ばれたら「はい」と返事をすること・履物そろえ…片づけをすること 挨拶をすることは、他者との関り、コミュニ […]
140.助走に「音読」と「計算」を
川島隆太先生の研究をご紹介します。小学生を対象にして、2分間の「音読」や「計算ドリル」の終了後に、提示した単語を2分間で何語記憶できるかをテストしました。 その結果、小学生は次の語数を記憶しました。 ・計算後には平均9. […]
127.ゲームと子どもの脳②
前回のコラムでは「ゲームと子どもの脳①」と題して、子どもが慢性的に疲労を抱えている可能性があることをご紹介しました。 ゲームと子どもの脳① さて、人間の脳全体の重さの約80%を占める「大脳」には主に4つの働きがあります。 […]
122.学びの体力をつける
『計算をたくさんさせれば「計算のスキル」は向上しますが、計算のための能力(脳機能)が向上するとは限りません。特殊な「体操」ができても、その体操のスキルを伸ばしているだけで、身体運動の能力が向上しているとは限らないのと同じ […]
117.教科の分類にとらわれず
「国語」という教科から連想される言葉として、「ことば」や「文章」などの文字の情報をイメージされる方が多いのではないでしょうか。 一方、「算数」という教科から連想される言葉としては、「図形」や「計算」などが挙げられるのでは […]
113.「個別最適な学び」は「学びの個性」への理解から
小学校では、2019年度より新しい学習指導要領に基づいた指導が行われています。この「新・学習指導要領」には、ICTも最大限に活用して「多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく」資質・能力を育成する「個別最適な学び」と「協 […]
100.耳栓をして音読
子どもたちが学習をする際に「音読」が有効であることは様々なところで語られています。 学習は脳内で行われますので、脳を活性化させることが大切です。まず、「音読」により脳の前頭前野が活性化することがわかっています。前頭前野は […]
94.音読(すらすら読めること)は学習の前提
文部科学省のホームページには「音読」について多くの情報が公開されています。文部科学省「音読」のページ「すらすら読み」の箇所を以下にまとめました。 すらすら読めることは「学習の前提」であり、すらすら読めること自体が国語学力 […]