教育コラム

118.知的に教えること

教えるとは、当たり前の言葉に置き換えることではない。そこに何らかの知的好奇心、知的興奮が伴うようにすることである。たとえば「青」という字の意味を教える場合、子どもに「辞書を作るひとになってもらいます。青という字に解釈を加 […]

117.教科の分類にとらわれず

「国語」という教科から連想される言葉として、「ことば」や「文章」などの文字の情報をイメージされる方が多いのではないでしょうか。 一方、「算数」という教科から連想される言葉としては、「図形」や「計算」などが挙げられるのでは […]

116.「高速音読」のトレーニング

「音読」にひと工夫加えた「高速音読」をご紹介します。「高速音読」とは、読んで字のごとく「高速で」「音読」をすることです。私たちは文や文章を音読する時に、一文字一文字を目で追いながらもある程度のかたまりで文を捉えて、それら […]

115.創造的思考力を育む

「創造的思考力を育むディスカッション講座」と題した春期特別講座を行いました。小学生クラスと中学生クラスの2クラスを各90分で取り組むこの講座は、私たちが準備に相当な時間をかけてきた2022年度の新たな取り組みです。 この […]

114.子どものメンタルヘルスを測る

「メンタルヘルス」とは、精神的、心理的健康状態のことです。子どものメンタルヘルスの強みや弱みを知り、それらを周囲の大人が共有することが大切です。厚生労働省は、大人が25問のアンケートに回答する形式で子どものメンタルヘルス […]

113.「個別最適な学び」は「学びの個性」への理解から

小学校では、2019年度より新しい学習指導要領に基づいた指導が行われています。この「新・学習指導要領」には、ICTも最大限に活用して「多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく」資質・能力を育成する「個別最適な学び」と「協 […]

112.100個の問いを作れ

日本教育技術学会名誉顧問の向山洋一先生は、教師の力量を上げるために「国語の教科書の見開き2ページで、100個の問いを作れ」と指導しています。 教師は、たくさんの問いを考えた後に、実際の授業ではどの発問をするのか選択します […]

111.言葉をたくさん知っていること

言葉をたくさん「知っていること」は素晴らしいことです。幼少期から難解な言葉を覚えている我が子を見ると誇らしく思えるのが親心というものではないでしょうか。 一方、「学習」の場面ではその豊富な語彙を「使うこと」ができて「語彙 […]

110.「切り替え」と「抑制」

学習にスムースに取り組むことができない子どもたちが増えていることが多くの教育関係者の関心事となっています。「子どもはそんなもんでしょ」という大人の解釈にも一理ありますが、学校やスクールの先生方が教育の現場で感じているその […]

109.実物を見せると、読解力がつく

「我が家はこうして読解力をつけました」(佐藤亮子著 くもん出版)には「実物を見せると、読解力がつく」という一節があります。読解力は「2Dの文章を3D映像に立ち上げる力である」として、読解力を育てるためには絵本の読み聞かせ […]

108.「音読(すらすら読み)+α」の課題

子どもたちの学習の基礎力を養ううえで「音読」はとても重要です。文部科学省は「すらすら読めること」が学習の前提である、と紹介しています。 音読をする文章の横に鉛筆でマルを5つ書いて、音読に取り組むごとに赤鉛筆で塗りつぶす、 […]

107.オンラインでプログラミング学習

テクノロジーを中心に、世の中は速く、大きく変化をしています。答えのない時代に生きる私たち大人もその変化への対応が日々求められています。 子どもたちの学びにおいては、「現在」と「将来」の軸で考えることが大切です。テクノロジ […]

106.「お手本をうつす」こと

『子どもが熱中する向山式漢字・言語指導法』(明治図書)には「お手本をうつすこと」ことは、すぐれた教育方法である、と書かれた箇所があります。学習の基本は「お手本をまねする」ということです。 習字でも絵でもお手本をまねします […]

105.「考えること(思考)」とワーキングメモリ

『教師の勝算』(東洋館出版社)に「思考はどう働くか」を解説している章があります。「できる限り単純化した頭脳のモデル」として、「環境」、「ワーキングメモリ」、「長期記憶」を以下のモデルで表しています。 「環境」は見聞きする […]

104.教科書の音読を

新型コロナの感染拡大が続いており、子どもたちを取り巻く環境もまた慌ただしくなってきました。子どもたちがマスクの着用をしなければならないなどの制限付きの生活を余儀なくされて2年を迎えようとしています。 このような状況でこそ […]

103.語彙学習の2つの方法②

『シリーズ国語授業づくり語彙』(監修:日本国語教育学会)では、「語彙学習の方法論」として語彙学習の二つの方法が紹介されています。「取り立て指導」と「取り上げ指導」です。 「取り立て指導」については、前回のコラムで取り上げ […]

102.語彙学習の2つの方法①

『シリーズ国語授業づくり語彙』(監修:日本国語教育学会)には「語彙学習の方法論」として語彙学習の二つの方法が紹介されています。それは「取り立て指導」と「取り上げ指導」です。 「取り立て指導」とは語彙としての特徴を学ぶ機会 […]

101.「HSC」への理解を

真生会富山病院心療内科の明橋大二先生が「敏感さをもつ子どもたちHSCへの理解」と題して書かれた内容を引用します。 「HSC」とは「High Sensitive Child」の頭文字を取った「ひと一倍敏感な子」を意味します […]

100.耳栓をして音読

子どもたちが学習をする際に「音読」が有効であることは様々なところで語られています。 学習は脳内で行われますので、脳を活性化させることが大切です。まず、「音読」により脳の前頭前野が活性化することがわかっています。前頭前野は […]

99.算数の「つまずき」チェック問題

一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会が「算数のつまずきチェック問題」を無料で公開しています。 パターン学習で培った算数の力は、小学4年生あたりで「カベ」にぶつかる場合があり、それは「算数の基礎」が養われていないことが […]

98.統計入門・データの活用

諸外国では、データを探索し、傾向を捉え、データに基づいて判断や提案をする力の育成が図られています。 『この町では、ここ何年かの間に多くの交通事故が起きている。議会は10万ポンドを計上して交通事故による死者数の数を減らす対 […]

97.人間の能力を低下させる「脅威」

Harvard Business Review の記事『自分の脳について無知なままでは、不確実性に対処することはできない』では、不確実性が増す日常において、それが生み出す脅威が人間の能力を低下させる、と分析しています。 […]

96.関連づけできる記憶

『Appleのデジタル教育』(かんき出版)の一節「関連づけできる記憶」には次の記載があります。 2014年、スタンフォード大学医学部で、年齢が異なる子どもの算数問題の解き方に関する調査が実施されました。すると、小学校低学 […]

95.漢字の「読み」と「書き」

『教室の中のワーキングメモリ』(河村暁、明治図書)には、漢字の「読み」と「書き」について以下のようにわかりやすく解説されています。(一部表現を変えています) 日常生活や学習の中では様々な種類の情報を一時的に記憶することが […]

94.音読(すらすら読めること)は学習の前提

文部科学省のホームページには「音読」について多くの情報が公開されています。文部科学省「音読」のページ「すらすら読み」の箇所を以下にまとめました。 すらすら読めることは「学習の前提」であり、すらすら読めること自体が国語学力 […]

93.菊を作るように子どもを教育してはならない

『教え方のプロ・向山洋一全集⑫家庭教育の指針』(明治図書)には、「子どもを育てるポイント」として以下が記載された章があります。 今から300年以上前に江戸時代の儒学者である細井平洲さんが「教育」について次のように言ってい […]

92.より良くワーキングメモリを働かせるために

学研が公開している、知育にまつわるお役立ち情報サイト「りんごちゃんのおけいこラボ」に『小学校入学準備に勉強よりも大切な力とは?』と題したコラムが掲載されています。 りんごちゃんのおけいこラボ これは、当社のスタッフであり […]

91.オンライン学習で学びを深める

自宅ではなかなか勉強が続かない…集中が続かない…こうした保護者様の悩みは「永遠の課題」のようです。 こうした悩みに対するひとつの解として「オンライン」での学びが広く認知され、その強みを生かして家庭(自宅)学習を加速させ、 […]

90.「思考のレベル」を評価する時代へ

『受験と進学の新常識』(おおたとしまさ著, 新潮新書)には、「世界標準の思考力」として首都圏中学模試センターが公開している「思考コード」が紹介されています。 知識や思考力という概念に枠組みを与える試みとして海外(特に欧米 […]

89.むやみに褒めるとマイナス!?

2021.8.23毎日新聞の記事「受験のトビラ」で「心の知能指数高めてあげて」と題した心理学博士の榎本博明さんのメッセージを紹介します。 『ほめることは効果がありますか?』の問いに対して榎本さんは以下のように答えています […]

88.大人が知っておきたい「微細運動障害」

『取り戻せ!教育力』(向山洋一著)には、「教師が絶対に理解しておくべきこと」として、『「できない子」のかなりの割合を発達障害の子どもが占めている事実』を挙げています。 個人差があることをことわったうえで、ADHD(注意欠 […]

87.知識の「量」と「活用」

新しい時代に必要な力を測るために「共通テスト」が変化をしています。下は、2021年「共通テスト」の英語科の問題です。英語科では、従来の発音や単語の問題は出題されなくなりました。 新しく登場してきた一例が以下のスマホによる […]

86.テストは記憶の定着を促す

あることを正確に覚えているかどうかを調べる記憶テストは、私たちが既に学んだ内容を長期記憶から呼び出す(想起する)練習になるため、効果を持つのです。 このテスト効果はレディガーとカルピックによって報告されています。大学生を […]