245.新しい「無学年式」の学び方
「現在の学年」という枠にとらわれない学習方法である「無学年式」を取り入れる学習塾等が注目を集めているようです。従来型のいわゆる「学年制」の学習方法との大きな違いは、子どものペースに合わせて学力の定着を図ることができることです。
「無学年式」には、「先取り」と「さかのぼり」があります。「先取り」とは、文字通り飛び級のようにどんどん学びを先に進める学び方であり、「さかのぼり」はその逆です。いずれも、子どもの特性に合った学びであり、じっくりと効率的に学習に取り組むことができます。「個別最適な学び」といえるでしょう。但し、学校の単元テストや定期テストとは進度が並行しませんので、テスト対策としては適していないともいえます。
「無学年式」の学習は一般的には「先取り」のイメージが強く、「さかのぼり」についてはポジティブなイメージを持たない方がこれまでは多かったようです。「無学年式」のカリキュラムは単元別に構成しているところが多く、「さかのぼり」の場合、「いつになったら標準的な進度、単元に追いつくのか」という焦りが次第に出てくるケースが多いのです。「子どものペースに合わせて学力の定着を図ること」が「無学年式」学習の良いところなのですが、その目的が見失われがちになります。しかし、それでもなお「さかのぼり」学習へのイメージは大きく好転していると私たちは感じています。
インフィニットマインドの語彙力・読解力講座では「無学年式」の学習環境を整えており、先の例からもう一歩踏み込み「単元別」ともしていません。つまり「さかのぼり」学習でありながら「単元別」ではないのです。私たちは「言語活動」の観点から子どもの学びを再定義し、「単元別」を除きました。学習の土台となるワーキングメモリに働きかけながら「聞く」「話す」「読む」「書く」の四技能のサイクルを徹底して回すものです。このサイクルを回すことで「子どものペースに合わせて学力の定着を図る」新しい「無学年式」の学び方が実現されています。
4月に入り、まもなく新学年での生活がはじまります。子どもたちの心、身体が健やかに成長することをまず第一に願っています。
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