241.体験活動で育む「非認知能力」
現代は「不確実性の時代」と言われています。つまり、何が起こってもおかしくない時代、予期せぬことが起こりうる時代だということです。今も昔もその時々で不確実な世を人は適応しながら生き抜いてきているのだと思います。
不確実性の研究者であるナシーム・ニコラス・タレブ氏は、この時代に必要なことは「『強い』ことではなく『反脆い(はんもろい)』ことである」と主張しています。特段強くはないけれども、何があってもうまくやっていける力ということです。
この「不確実性の時代」において、ビジネスに限らずこどもの教育において「非認知能力」という概念が注目されています。「非認知能力」とは「やり抜く力」「協調性」「楽天的」など様々な力を含み、東京大学名誉教授の汐見稔幸氏は、これを「魚捕り」に例えています。
・魚を取る罠をひたすら作り続ける集中力
・罠を改善したり罠を仕掛けるポイントを考える直感力
・魚が取れなくてもあきらめない忍耐力
・失敗しても、まあいいかと思える楽天性
・友達と協力する力
・間違ったことをしたら素直に謝ることができる正直さ
などを併せ持った力としています。「何があっても、うまくやっていく力」こそ、不確実性の時代に必要なものであり、培っていかなければならないものです。
「非認知能力」については様々な場所で語られています。こどもの「非認知能力」は、「魚捕り」の例で示されているように、主に遊びやスポーツなど様々な体験活動を通して育まれる力です。「育む」とは、遊びを通して主体的にこどもが参加できる環境づくりを指すと私たちは考えています。
<引用・参照>『顧客の数だけ、見ればいい』(小阪裕司著 PHP)
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