240.「探究」の基盤となる読解力②
「読解力」とは国語科の「読むこと」に留まらず、英語で「Reading Literacy」と訳されているように、すべての学びの基盤となる資質・能力であり、時代が求める要素も加味して捉える必要があります。また、学校教育での「探究」の基盤となる資質・能力は、「読解力(Reading Literacy)」を育成する授業として行われる「聴いて 考えて つなげる」授業を通して培われます。つまり、「読解力」は「探究」の基盤となり、「探究」の学びとは、この後に記す「深い読解力」があってこそ、なのです。
日本での国語科は、OECDが実施しているテスト「PISA」の考え方も取り入れられています。日本語の読み書きの訓練をすることが、即ち読解力を高めるというものではありません。国際的な学力観にも基づいて読解力の定義やその育成方法が検討されています。
今回は『「探究」の基盤となる読解力①』の続編として解説をします。
「読解力(Reading Literacy)」は4つの層で理解することが重要です。第一層をはじめとして、第四層にかけてより深い構造となっています。まず、第一層の読解力とは、受信(Input)→発信(Output)です。読み手は、書き手が発信した内容をInputで正確に受け止めることが求められます。そして、それを読み手として発信する際には、受信した内容を書き手の意図に沿ってOutputします。書き手と読み手の関係はシンプルであり、読解の基盤となります。
第二層では、受信(Input)→思考・理解(Intake)→判断・発信(Output)となります。ここではいわゆる従来のテキストのみによる文章のみならず、「非連続テキスト」というグラフや表も含めた文章を読むことが対象となります。
第一層のように文章を読むことに加え、文章を多面的・多角的に捉えるよう意識することや、Outputの際には読み取った情報を、自己との対話に基づき他者に説明できるようにすることが求められます。読み手としての主体が関わらなければなりません。新しい学習指導要領に基づく国語科の授業は「主体的な学び」が謳われており、この主体を育みながらOutputに向かう工夫がされています。
私たちは、時代が求める要素やOECDが発信している内容を研究し、できるだけスピーディに授業に反映しながら子どもの「読解力(Reading Literacy)」を養うサービスを引き続きご提供してまいります。
<引用・参照>
『「読解力の育成」』(三省堂 髙木展郎著)
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