228. 読書へのアニマシオン
絵本の読み聞かせにひと工夫を加えることで、こどもが集中して内容を聞き取るようになります。
まず、「絵をしっかりと見てお話を聞きましょう」と言い、絵本の読み聞かせを始めます。次に、もう一度読み聞かせを始めるのですが、この時に読み聞かせる文章には絵本と異なる内容を盛り込んでおくのです。どこが違うのかをこどもに指摘させる取り組みを通して、こどもが集中して内容を聞き取り、間違いを見つける遊びになるのです。
これは親子でも楽しむことができる「アニマシオン」と呼ばれるスペイン発祥の読書教育です。「遊びながら」本の内容を深く読み取る学びであり、本を読む楽しさや喜びをこどもに体験させ、自主的に本を読んでもらうことを目指す取り組みです。
登場人物の持ち物を当てたり、物語の続きを自由に考えさせたりするなど、こどもの発達に応じて様々な例があります。こどもが好きな本や昔話などを題材に選ぶと良いでしょう。
幼児期にしっかりと語彙力を身につけるにあたり「読み聞かせ」は非常に重要な取り組みです。耳から入る情報を脳内に記憶させ、アニマシオンのようにその情報を取り出す取り組みはワーキングメモリにはたらきかけるものでもあります。学習の基礎脳力を高めるこの取り組みをぜひご家庭でも取り入れていただき、遊びを通した学びの実現を図っていきましょう。
<引用・参照>
読書習慣 遊びで楽しく(2024年9月26日 読売新聞朝刊)
#教育コラム228