219.SNSや動画視聴時間と成績
7月29日に公表された全国学力テストの結果および児童生徒への質問調査の結果から「SNS等の利用時間が長いほど平均正答率が低下する傾向」が浮かびました。海外も同様の状況で、子どもとスマホの付き合い方は世界共通のようです。
平日1日にスマホでのSNS利用や動画視聴に費やす時間を「1時間以上」と答えた中学生は79%を占めました。SNS等の利用が多い生徒は、学習時間が短くなり、就寝時間も乱れる傾向がみられました。
学力テストとSNSの利用時間の関係では、SNSの利用時間が「30分未満」と答えたグループは、全教科で最も成績が良く、SNSの利用時間が「4時間以上」と答えたグループは最も成績が悪かったことから、SNSを利用するほど成績が落ちていることがわかりました。
短く刺激的なコンテンツがあふれるSNSに慣れている生徒は、長文を読み解く力が弱くなっていると言われています。2020年以降の新学習指導要領では、思考力、判断力、表現力の育成が掲げられています。文科省の掲げる取り組みが全国各地で実践される中、子どもとスマホの付き合い方を見直すことから始めて「不確実な世の中で生き抜く力」の育成に注力をしてほしいと思います。
暑い日が続く夏休みに、長時間にわたるスマホ・ゲームの使用による生活リズムの乱れが既に起こっています。そのことで保護者の半数が既にストレスを感じているとの報道もされています。スマホ等の利用には制限時間を設け、睡眠時間を確保するなどの生活習慣を整えることが何より大事なのではないでしょうか。これは、制限時間の訪れとともに頭を切り替え、次の行動に移るという「脳の習慣づけ」でもあります。小学生、中学生も同様にいまのうちから「脳の習慣づけ」に本気で取り組めるか否かがこれからの人生に影響をするというくらいの覚悟で生活習慣を見直しましょう。
<引用・参照>
読売新聞朝刊【スキャナー 学力テスト長文・記述式苦手】(2024.7.30)/ 【学ぶ 育む 夏休み 保護者半数「ストレス」】(2024.8.1)
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