218.記憶力が高まる「リトリーバル復習法」とは

「リトリーバル」(retrieval)とは、一度インプットしたものを脳の中から取り戻すことです。リトリーバルは、100年以上もの研究の積み重ねの中で高い学習効果が確認されてきたインプット法です。リトリーバルを取り込んだ勉強法は、シンプルな読み返しをするよりも50%も記憶の定着率がアップするなど、他の学習法よりも格段に効果があることがたびたび示されてきました。

リトリーバル習慣として取り入れておきたい復習法をご紹介します。

①ワード・リトリーバル…一度学習した時に記憶していたキーワードが出てきたら、すぐに読み返さずに、目を閉じて、その定義や説明を思い出します。思い出した後に、それが正しいかをチェックします。思い出せなかった場合は、再度読んだ後にもう一度目を閉じて心の中で説明できるようになってから先に進めます。

②前リトリーバル…テキストの見出しや小見出しを見つけたら、すぐにその部分を読み進めずに、目を閉じて、その部分に書いてあったことを何でもいいので思い出します。その後に読み進めます。

③後リトリーバル…ある程度の分量を読み終わったら、目を閉じてそこに書かれていた内容を自分の心の中で説明します。説明できなければもう一度読み直します。

①は初心者にお勧めの復習法です。効果的な復讐の順序として①、③から始めて、内容がしっかりと頭に入ってきてから②に移ると良いでしょう。

小学生や中学生は、教科書の復習にリトリーバル復習法を取り入れることでより高い学習効果が得られるでしょう。年齢や能力に関わらず幅広い学習者にとって有効ですので、大人も取り入れることをお薦めします。

<引用・参照>
脳が一生忘れないインプット術(星友啓著 あさ出版)
<参考動画>
EDUCATION SKILL SET


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