16.「線を引く」から見えること

大森修 著の『個別支援に応える算数ワーク図形編』には、図形を書くことの大切さを以下のように解説しています。

『例えば、定規を当てて線を引くとき、

・線の途中で定規から鉛筆が離れて直線にならない
・線の途中で定規が動いてしまい、曲がる
・線が短かったり、長かったりしてしまう

このようになるのは、視線の移動に問題があったり、定規を押さえる手と鉛筆を動かす手との協応運動に問題があったりするからだ。図形(作図)の学習では、協応運動が最大の課題である。この課題を緩和するには、どのようにしたらよいのか。図形の学習は「空間認知」がポイントだと算数指導に堪能な教師はいう。

(中略)

図形の学習こそ、「作業で分かる」が必要ではないか。つまり、図形をかくことで分かる、である。』

しっかりと図形を書くことができるまで時間をかけることも学習です。定規を当てて線を引くという作業は、ほんの僅かな時間でできます。わたしたち大人は、この僅かな時間でできることに目を配ることが大切なのです。

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