215.主体性を伸ばす探究学習と非認知能力

学校教育が大きく変化しています。生徒の主体性を伸ばすことを重視した「探究学習」が全国各地で行われています。自ら設定する課題に主体的に取り組み、仲間と協働で粘り強くやり抜く力が重視されており、いま社会人として求められている力そのものといえるものです。

別の表現で「非認知能力」と呼ばれています。点数で測ることのできる「認知能力」に「非」の字を加えた「非認知能力」は、従来型の偏差値重視で測られてきた学力観とは異なるものです。認知能力も非認知能力も切り離して捉えるものではありませんが、新しい学習指導要領下において、非認知能力の重要性は増しています。

探究学習は「横断的・総合的な学習を行うことを通じて課題を解決し、生きる資質・能力を育成すること」(文部科学省のサイト)と定められています。

「初夏の気温を考慮したサクラの開花時期予測に関する生物統計学的考察」をテーマに課題に取り組んだ高校3年生は、高校生国際シンポジウムで優秀賞を獲得しており、探究学習について「主体性に任されていて、『やりたい』と言ったことは応援してくれることが気に入っている」と話しています。

皆が一様にこのような結果をもたらすわけではありませんが、学校が特色ある取り組みを通して、生徒の主体性を軸に学びが大きく変わっていることは間違いありません。幼稚園や小学校においても児童の主体性を育む取り組みは始まっています。このような取り組みによって入試も大きく変わるでしょう。後追いでテスト対策をするのでは間に合いません。日々の学習環境の延長線上に入試があるという意識改革も問われる時代に突入しています。

<引用・参照>
週刊エコノミスト『学校激変』2024.6.4


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