161.大人も語彙力

頂戴するメールへ返信をする際に、私は「無意識に」ある一定の表現を選んでいます。私なりに相手に失礼のないように使ってきた表現であるがゆえ、その表現を変える必要がないと「無意識に」判断して、いわば指先が「ほぼ無意識に」その表現を入力しています。返信の文面に頭を悩ませる時間を短縮するという点では効率が良いでしょう。

脳内の情報処理においても同じことが言えます。つまり、普段から使い慣れた脳の配線を使う方が効率がよく、大量のエネルギーを消費せずに済むため、このように「ほぼ無意識」に効率が良い方を選択しています。

『社会人に絶対必要な語彙力が身につく本(高村史司著、だいわ文庫)』に目を通してハッとしました。自分自身のため、脳のためにも「無意識」の表現から脱して表現を見直すきっかけを与えていただきました。

進学、進級など喜ばしいことが多い4月は「おめでとうございます」と発信してきた表現を「ご同慶の至りです」とすることや「またお酒を飲みに行きましょう」とお誘いしてきた表現を「ぜひ一献傾けましょう」とするなど具体的な例と共に多数紹介されています。

こどもも大人も「語彙力」は「知識量」「活用力」「言語感覚」「語彙操作力」の4つで構成されていることを意識して、より豊かな表現を楽しみたいものです。教育コラムを発信する者として、本日の内容が皆様に何かしらのヒントとなれば幸いです。もとい、「発信者冥利に尽きます」。


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