141.算数の文章題が解けない子どもたち
次の問題は、広島県で2020年に実施された小学生を対象とする算数文章題の問題です。
【列の並び順問題(順番)】
子どもが14人、1れつにならんでいます。ことねさんの前に7人います。ことねさんの後ろには、何人いますか。
これは小学1年生の教科書に掲載されている問題です。この問題の正答率は以下の通りでした。
・小学3年生…28.1%
・小学4年生…53.4%
・小学5年生…72.3%
誤答のタイプとして、以下が挙げられています。
①意味を考えずに問題文の数字を使って立式する
例)式:14×7=98 答え98人 としている。
②問題文の状況のイメージを式にできない
例)〇〇〇〇〇〇●〇〇〇〇〇〇〇 として、●をことねさん、と書いており、
式:14-7=7 答え7人 としている。
③そもそも問題文をイメージできない
例)先程と同様に図で書いている箇所が問題文と合っていない
②のタイプで誤答した生徒は、小学3年生で32%、4年生で16%、5年生で6%です。
③のタイプで誤答した生徒は、小学3年生で19%、4年生で10%、5年生で12%です。
③は読解力がより深刻です。
「文章問題の内容を図にできること」や「その図に応じた式を立てること」が大切であることは言うまでもありませんが、私たち大人がじっくりと時間をかけて子どもと向き合うことがもっとも大切なことです。
<参照>
『算数文章題が解けない子どもたち』岩波書店
#教育コラム141