227. 子どもが本を読まない理由

ベネッセ教育総合研究所の調査「子どもの読書行動の実態」では、約半数の子どもは読書時間が「0分」であるという結果が記されています。

子どもの読書行動の実態

子どもが本に手を伸ばさない理由は多々あるでしょう。このことについて私たちは、保護者様向け、教育関係者様向けの勉強会等で次のように説明をしています。


まず、読「ま」ないのか、読「め」ないのかを保護者様や先生方が見極めることが大切です。子どもが本を読まないのは、子どもに興味や関心がないからであり、また必要性を感じないからだと考えます。では、どうすれば興味や関心、必要性を感じるのでしょうか。

まず、大人が問いかけることです。京都女子大学の水戸部修治先生は「〇〇さんの好きなシーンを教えてください。なぜそのシーンが好きなのかも教えてね。」と問いかけることで子どもの主体性に働きかけることが大切だとおっしゃっています。「相手に伝えたい」と子どもが主体的に思う環境こそが第一歩になるのではないでしょうか。

次に、読「め」ないについては、技術的な課題が原因となり「できないから読まない」となっていることが考えられます。ここでは、読みに関するつまずきの要因を大人が分析すると良いでしょう。こどもに短い文章を音読をさせてみるなどして確かめる方法が適していると考えます。


子どもの主体性を中心に据えた学習環境は周囲の大人が整え、子どものつまずきの原因にも注意を払い、個別に最適なアプローチや対応方法を学び続ける姿勢が大人に問われています。

私たち大人は「読書は子どもがこころ豊かに育つかけがえのない経験、財産である」という信念を持ち、読書活動を推進していくことがこれまで以上に求められているのではないでしょうか。


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