221.現象ベースの学習

フィンランドでは「現象ベースの学習」と呼ばれる授業があります。これは教科横断型の学びで、日常生活で起きる様々な現象をテーマに据えて課題解決の方法などを探求していくものです。

ある学校では学期の初めに海でゴミ拾いをしたり、博物館に行ったりして体験を重視したプロジェクト型の学習を実施しているという。マリア・フッカネン副校長は「学習を生活と結びつけることで、なぜ教科を勉強しないといけないのか理解できる」と説明しています。教科別、単元別の理解度からはじめるのではなく、身近な生活における現象からはじめることでこどもの主体性が育まれます。いま、日本の教育もこどもの主体性を育む方向性に切り替わっています。

変化の激しい時代にあり、私たち大人も同様にこれまでの考え方を見直して時代の変化に適応することが求められています。教育の現場においては先生方がカギになることは言うまでもありません。私たち自身が受けてきた教育の価値観と異なることをこどもたちに示すのは容易なことではないですが、主語を「こども」に置きプロフェッショナルな役割を果たすことが重要だと考えます。


<引用・参照>
日本経済新聞朝刊【教育のあす Future of Education】(2024.8.26)

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