209.「ニューロダイバーシティ」と「学びの個性」
ニューロダイバーシティ(Neurodiversity、神経多様性)とは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方で、(中略)一定の配慮や支援を提供することで「発達障害のある方に、その特性を活かして自社の戦力となっていただく」ことを目的としたニューロダイバーシティへの取組みは、大いに注目すべき成長戦略として近年関心が高まっております。この概念をさらに発信し、発達障害のある人が持つ特性(発達特性)を活かし活躍いただける社会を目指します。
(経済産業省ウェブサイト)
私たちが主に小学生を対象に実施しているアセスメント「HUCRoW」 は、ワーキングメモリの観点から、一人ひとり異なる「学びの個性」を測り、その情報を学習支援に生かそうという考え方ですが、社会人においても同様に、まずは「自らの特性」を知り、仕事に生かすという視点が大切だと私たちは考えます。
こどもが周囲の支援者によってサポートされるのと同様に、大人も仕事に関わる組織や企業の理解とサポートが欠かせません。「ASD」「ADHD」「発達障害」という表現はあれど、様々な要因が複合的に関連し合っていますので、一括りに表現したりカテゴライズすることはできません。あくまで「傾向」や「特性」として、客観的に理解しようとすることが大切です。
学習や仕事においては脳のワーキングメモリが非常に重要や役割を果たします。大人においてもワーキングメモリアセスメント「HUCRoW」の受検を通して得られた情報が支援につながり、ニューロダイバーシティへの取り組みの一助となるものと考えます。
<参考>
ワーキングメモリアセスメントHUCRoW
BRAIN TIMES
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