148.スマホ自体を遠ざける
仕事中はパソコンとのにらめっこが多いため、何かしらの作業をしながら同時に画面にはメール、Chatwork、Teams、 Messenger、LINEなどの通知が次々に入ってきます。これらを並行処理しながら手際よく仕事を進めているようですが、実は集中して取り組んでいるとはいえません。
脳はつられやすく、ちらっと目にした情報ですら人の脳は影響を受けています。
『究極脳の作り方』(生塩研一著 彩図社)に以下の一節があります。
『大したことでなくとも新しい情報を知ることは、知識欲を満たしマイルドな快感を得られる。また、早く対応すべきことが起こっているかもしれないという不安な気持ちが恐怖中枢を活性化する面もあるだろう。そして、そのようなことがなければ安心感が得られ、こちらは快楽中枢を刺激する。それから、何か作業をしたこと自体でも快感が得られる。人にとって何もしないという状況はかなりストレスで、暇さえあれば何かしらしてしまうものなのだ。情報化社会にいる我々は、情報に敏感というよりむしろ、情報に接していないと落ち着かない、いわば情報中毒の様相を呈している。取引先や上司からのメール、最近追いかけているニュース、知人のSNSなど、たくさんの気になることがある。作業が息詰まったり、ちょっとキリがついたりしたくらいで、つい気になっていろいろとチェックしてしまうのは、まさに中毒状態という表現が相応しい。』
そして、著書ではスマホの存在自体が私たちの邪魔をする事例を紹介しています。
A: 机の上で見えるところに置いておく
B: ポケットかバッグに入れておく
C: 別の部屋に置いておく
被験者のスマホを上記3つの場所においたところ、ワーキングメモリもIQのような流動性知能もAよりB、BよりCの方が成績が良かったのです。スマホは使わなくても、近くにあるだけで認知機能を下げてしまうというのです。
THE UNIVERSITY OF CHICAGO PRESS JOURNALS
私たち自身はもちろんのこと、子どもたちには早くからこのような取り組みを習慣化させておきたいものです。
#教育コラム148