135.読解の指導にデータの活用を

デジタル教材の普及に伴い「紙教材かデジタル教材か」をテーマに、いたるところで議論がされています。子どもが学ぶ教材が紙であれデジタルであれ、それぞれに強みと弱みがあります。特にデジタル教材については過去の事例が少ないため、懐疑的な見方が多くなるのは当然のことです。利用者である子どもにとって、適した環境で、適した利用方法で、その時々に求められる効果が有効であるならバランスよく、うまく利用すると良いでしょう。

デジタル教材の利点の一つは、子どもの学習がデータ化されることにあります。従来は先生の中にあった勘や経験といったデータに加えてデジタル教材による客観的なデータにより、さらに子どもの学習への理解が深まることでしょう。

読解指導におけるデータの活用例として、私たちが提供しているWebトレーニングでは、受講生の学習履歴から以下の項目をデータで抽出することができます。


チェックの一番下にある「満点を取るまでに何回、本文と問いとを行き来したか」というデータは、読解力の向上を図る上で大いに参考になるデータです。この回数が多いということは、非効率的な読み方をしている可能性が高く、本文を記憶しながら読み進めるトレーニングが有効な学習法となります。

「あなたは国語が苦手だ」「あなたは読解が弱い」「もっと頑張れ」「もっと本を読め」という言葉により、子どもがネガティブな感情を抱かないようにするためにも、学習者である子どもが、紙教材であれデジタル教材であれ、より良い活用方法を提示することが私たち大人の役割だと思います。

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