129.学びが多い「自由研究」
子どもたちは先週から夏休みに入り、ホッと一息ついているのではないでしょうか。一方で、コロナの感染拡大が続く中、外出ができず息苦しい思いをしている子どもも多いのではないかと思います。こんな時こそ、いまのうちに夏の宿題、特に時間のかかる「自由研究」に取り組んではいかがでしょうか。
「自由研究」は「読書感想文」と並んで保護者様の手がかかる宿題のひとつといえますが、自由研究に関しては、いまはインターネット上にたくさんの「ネタ」もありますので、ぜひ探してみてください。
自由研究に手がかかる理由は、「自由」というところにあります。「どんなものでも良いです。自由です。」と言われると人は思考が止まってしまうものです。
余談ですが、LEGOブロックで子どもが遊ぶ時に、型が決まっている場合は説明書を見て集中して組み立てますが、大量のブロック片を用意して「自由に組み立ててごらん」と言うと子どもたちは案外手が止まってしまうのと同じかもしれません。
「自由」から学びを始めることにより、多くの学びが得られます。興味関心が特にない場合は、テーマを探すところがスタートになります。テーマを探すにあたり、多くの情報に接しながら自分の興味関心を見つけていきます。これは学びの価値が高く、仮に興味関心のあるテーマが見つからなくても、多くの情報に接すること自体に価値があります。
限りある時間の中で「自由研究」を仕上げていかなければなりません。最終的には無理やりでもテーマを見つけて仕上げていくことになるかもしれませんが、それも良い勉強です。子どもたちはそう遠くない将来(中学、高校、専門学校、大学等)、自分でテーマを見つけて学習を進めていきます。社会に出るとなおのこと、自分なりの課題をもって学び、仕事に取り組んでいくことになります。「探究学習」はいまの学びの主流となっています。
一見遠回りに見えますが、時間をかけて「テーマを探す」ということに時間を費やせるのは、有意義な夏休みの過ごし方になるでしょう。一方、テーマが既に見つかってる子どもの場合は、そのテーマをとことん掘り下げて、余力があればさらにもう一つ、二つと自由に研究するのも良いでしょう。
#教育コラム129