124.「思考」は自分自身との対話
「思考力を問う問題」「思考力テスト」「思考力を育む講座」と聞くと、一般的には難易度が高いものであるというイメージを持つのではないでしょうか。一方で、とても魅力的にも感じる不思議な一面をこの「思考」という言葉は持っています。自分自身をまたは自身の子どもを「思考力が高い」と言わないのは、他人に自慢するものではないという「奥ゆかしさ」のようなものを内包しているかのようです。
自分自身と対話することこそが「思い、考える」ことであり、思考とは「自己内対話」と言い換えることができます。
私たちは他者と対話するために言語を使用することから、対話には言語が必要です。同様に、自己内対話(=思考)にも言語が必要になります。言語的発達段階として、乳幼児期にまず外的言語(外側に発する言語)から身につけ、4歳頃から内的言語(頭の中で発する言語)を身につけはじめるといわれています。だからこそ、乳幼児期に外的言語としっかりと触れ合うことで
内的言語を豊かに身につけることができます。
冒頭に書きました「思考力を問う問題」「思考力テスト」「思考力を育む講座」においては、豊かな「語彙・ことば」を身につけて「自己内対話」をする場であると捉えると良いでしょう。この点において、日常から「語彙・ことば」を身につけることはとても大切なことです。
日常的な会話の場、コミュニケーションの場を多く持つことが「思考」の第一歩です。子どもと関わる大人がたくさん話しかけるということが大切だと思います。
※参考:「非認知能力が子どもを伸ばす」(東京書籍・中山芳一著)
#教育コラム124