122.学びの体力をつける

『計算をたくさんさせれば「計算のスキル」は向上しますが、計算のための能力(脳機能)が向上するとは限りません。特殊な「体操」ができても、その体操のスキルを伸ばしているだけで、身体運動の能力が向上しているとは限らないのと同じです。』とは、当社の前技術顧問の澤口俊之先生の著書「発達障害の改善と予防」にある言葉です。

文部科学省が定める学力観は、時代の変化に合わせて変化をしており、従来の価値観と大きく異なります。子どもの学力も同様に、従来「学力」として捉えられた意味合いが現在は大きく異なります。

さらに、子ども一人ひとりの「学びの個性」は異なります。その個性に則り、最適な学びを進めていくことが今まで以上に求められています。

ある一定の型を繰り返すことにより習得をはかる、という手法はあくまでひとつの手段であり、従来重視されてきた「学力」として捉えると有効である面はありますが、子どもが将来にわたり身につけるべきことを俯瞰して見る目も必要です。

「人生100年時代」を歩む子どもたちには、何度でも学び直しの機会が必要となるでしょう。長く歩むにはそれ相応の体力が必要です。そして、体力も一人ひとり異なるため、それぞれに応じた体力のつけ方があると思います。

「歌手になりたければまずは大きな声を出すこと」(松山千春談)や「野球が上手になるには、道具を買いそろえる前にボールで遊ぶこと」(落合博満談)など、「学びの体力」を考えるうえで示唆に富む考え方があります。「大きな声で音読をたくさんすること」等、「学びの体力」をつけるには継続的な取り組みが必要だと私たちは考えます。


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