116.「高速音読」のトレーニング
「音読」にひと工夫加えた「高速音読」をご紹介します。「高速音読」とは、読んで字のごとく「高速で」「音読」をすることです。私たちは文や文章を音読する時に、一文字一文字を目で追いながらもある程度のかたまりで文を捉えて、それらを記憶しながら読み進めます。
この「記憶して処理をする」ことは脳のワーキングメモリの働きです。よく「ワーキングメモリとは短期記憶である」と解説されている記事などを見かけますが、それは十分な説明ではありません。ワーキングメモリは「作業記憶」と呼ばれるように、ある作業をする間だけ記憶をとどめる働きであり、記憶から作業(処理)をするところまでがワーキングメモリの働きです。
高速音読は記憶のトレーニングであり、同時にワーキングメモリのトレーニングです。読みやすい速度で音読をすることだけでも学習において良い効果が期待されますが、ぜひ「高速音読」にも継続して取り組んでみてください。
新学年を迎え、新しい教科書を手にしている学生さんはもちろんのこと、大人にも効果が期待されるようですので、大人の方々もぜひチャレンジをしてみてください。
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