108.「音読(すらすら読み)+α」の課題
子どもたちの学習の基礎力を養ううえで「音読」はとても重要です。文部科学省は「すらすら読めること」が学習の前提である、と紹介しています。
音読をする文章の横に鉛筆でマルを5つ書いて、音読に取り組むごとに赤鉛筆で塗りつぶす、という作業を通して子どもたちの達成感を持たせる工夫も大切です。
子どもたちの音読を隣で聞いていると、上手なところはもちろんのこと「つまずき」もわかります。何度も何度も読み込んで「すらすら読める」練習をすることにより、子どもたちは読解の基礎を養うことができます。
例えば、次の文を何度も何度も音読する、とします。皆様、ぜひ何度も音読してみてください。
『ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。』(「蜘蛛の糸」芥川龍之介)
音読をした後に、次の問題が出題されたとします。
問題:次の文の文中に句点と読点を書き入れなさい。
『ある日の事でございます御釈迦様は極楽の蓮池のふちを独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました池の中に咲いている蓮の花はみんな玉のようにまっ白でそのまん中にある金色の蕊からは何とも云えない好い匂が絶間なくあたりへ溢れて居ります極楽は丁度朝なのでございましょう』
いかがでしょうか。句読点の位置を覚えるまで読み込みましょう、というお話ではありません。読点は、「意味の区切り」や「読みやすさ」を考えて打つものですので、音読を通して句点、読点の打ち方も身につけていくことができます。
子どもたちの日々の学習サポートのひとつのアイデアとしてご参考になれば幸いです。
#教育コラム108