65.分散型の練習

『教育効果を可視化する学習科学(ジョン・ハッティ、グレゴリー・イエーツ著)』によると、数日から数週間をかけて短く切って学習することは、ある程度の時間をかけて一度に学習するより効果が高く、この分散型の練習は、新しい手続き的なスキルを獲得するときに特に効果がある、と書かれています。

例として、車の運転を学ぶ時に、2時間連続で一度にやるよりも、一週間以上の間を空けて各20分間を6回以上に分けて練習をする方が、効果が出やすく、人が学ぶのは最適の状態で15分から30分を一区切りにすれば、費用対効果が高いとされています。

私たちの多くは、注意力散漫が一定のレベルになるまで、およそ15分から20分の間は注意力や集中力が保てるとされていますので、分散型の練習の効果を上げるうえでも、指導にあたる者は工夫が必要であると考えます。

こどもに教科指導等をしている先生方にとっては、仮に1コマが50分の場合は、約15分毎に計3段階程度で、生徒に頭の切り替えを図る構成上の工夫が必要であるといえます。

学習に関する習い事においては、1回のレッスンを30分程度で構成されているところは、分散型の練習が設計されていますので、一定の学習効果が見込まれるでしょう。

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