8.睡眠は健やかな成長の源

厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイトには、子どもの睡眠の問題についての情報が分かりやすくまとめられています。

最近は、寝るべき時間に眠らない、眠くても眠れない子どもが増加しており、4~5人に一人は、睡眠週間の乱れや睡眠障害など何らかの睡眠問題を抱えているようです。

1歳6か月児から6歳児までのすべてにおいて22時以降に就寝する割合が増加しています。

子どもの睡眠不足や睡眠障害の持続は、肥満や生活習慣病(糖尿病、高血圧)、うつ病などの発症率を高めたり症状を増悪させたりする危険があります。

私たちは朝目覚めてから明るい光を浴びて約14時間後より徐々に眠気を感じるように体内時計がセットされています。

脳科学の観点からこのメカニズムを解説します。
まず、朝の太陽を浴び、一定の光量を超えると脳内に「セロトニン」という脳内の神経伝達物質が作られます。このセロトニンは朝に太陽の光を受けて合成を開始し、最大値に達した後は、夜に向けて低下していきます。セロトニンが低下していくプロセスで「メラトニン」という神経伝達物質が増えます。このメラトニンが睡眠を誘導する素となります。朝のセロトニンの量が多いと、それに比例して夜のメラトニン量が多くなるため、朝に大量のセロトニンをつくることが、夜の良い睡眠につながります。

厚生労働省では、早く起きることから始めましょう、と呼び掛け、朝起きたら日光を浴びるか外に顔を向けることで体内時計の時刻合わせをすることを勧めています。

参照:『BRAIN DRIVEN』青砥瑞人著)
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