5.多種類の読書で学力向上

ベネッセ教育総合研究所による小学生の読書に関する実態調査・研究『幅広い読書が「思考力」や「創造性」にプラス効果』によると、様々な種類の本を読むこどもほど学力が向上することがわかったことが公開されています。

同社のサイトから引用すると、『この研究では、小学5年生から6年生にかけての1年間について、読書の「質」、とりわけ、こどもが読んでいる本の種類(ジャンル)に注目し、幅広い読書の効果を分析しました。その結果、1年間に幅広い種類の読書をしたこどもほど、興味や知識の広がり、考える力(思考力)の向上、創造性の涵養など、さまざまな 力の高まりを感じているとともに、教科の学力、特に「社会」の成績も向上していることが明らかになりまし た。また、幅広い読書をしている子どもは、本の「読み方」を工夫していることもわかりました。』とあります。

こどもが読む本を「読み物」「自然・科学」「社会・歴史」「生き方」の4種類に分け、学力テストの結果と照合して、「国語・算数・理科・社会」の4教科の平均偏差値の上昇幅を見たところ、
1種類の本を読んだ児童は「0.3
4種類の本を読んだ児童は「0.9
との差が出ました。教科別では、多種類の本を読むほど【社会科】の成績が上がった、という結果が出ています。

同社が公開している分析結果から、こどもが手に取りやすい切り口の科学・歴史などの本が、読書のジャンルを広げていることがわかりました。
2019年によく読まれた本の特徴として、
 ・「いきもの最強バラエティー ウソナンデス」(学研プラス)
 ・「ジュニア空想科学読本」(KADOKAWA)
 ・「しくじり歴史人物事典」(学研プラス)
など、生き物・科学技術・歴史の専門的な内容を、こどもが手に取りやすい切り口で扱った作品が上位にあがっていました。また、こうした本は、「お話・読み物」中心に読書をすることが多いこどもたちにとって、興味の幅を広げることに役立ち、読書のジャンルを 広げることにもつながっている、と書かれています。

こどもが興味関心を持つ本がいつでも手の届くところにあるという環境づくりを私たち大人が整えることがとても大切なことだと考えさせられた研究結果です。

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