『パタパタメモリー』で身につく力①
真栄喜さん、『脳力道場』内にある「パタパタメモリー」について教えてください。
パタパタメモリー」は、広く知られているDigit Span(デジットスパン)をアレンジしたワーキングメモリを鍛えるトレーニングです。
Digit Span?もう少し詳しく聞かせてください。
Digit Spanというのは、『読み上げた数字を順番または逆順に復唱する』課題のことです。学習の基礎能力であるワーキングメモリの力をはかることができる簡単なものです。
例えばどのような問題なのですか?
では、野瀬さんに出題してみましょう。いまから私が数字を読み上げます。メモはせずに覚えてください。
5,8,2, 6。
今、私が読み上げた数字を前から順番に言ってください。
5,8,2,6
正解です。では、逆順に言ってください。
え?6,2,5,・・・あれ・・
ははは!ちょっと難しいですよね。前から順番に読み上げることを「順唱」、逆順に読み上げることを「逆唱」といいますよ。4つの数字でも順唱であれば、幼児のお子さまでも比較的簡単にできますが、逆唱は難しく、ワーキングメモリの能力が要求されます。
脳力道場では、さらに難易度の高いトレーニングとして、例えば数字を7つ順番に表示して覚えてもらい、「3番目に大きい数字は何ですか?」というような問いもあります。
それは難しいですね!
一般的なDigit Spanにおける「数の順唱」では、それほどワーキングメモリの能力を必要としませんが、『パタパタメモリー』では覚えた内容に対して、後からの問いに対しての答えを考える必要があるので、記憶を保持しながら答えを導き出すときに、ワーキングメモリの機能による高度な処理が必要になるのです。
なるほど!子どもたちはゲーム感覚で楽しく取り組んでいますが、相当な負荷をかけた処理が脳内で行われているのですね!