『スピード1』で身につく力

野瀬さん

真栄喜さん

野瀬

さて、『脳力道場』を開発された真栄喜さんには、『脳力道場』のスコアについてお伺いしたいと思います。
例えば『スピード1』ではどのような能力が見えるのですか?

真栄喜

『スピード1』は、一時的な情報の保持としてワーキングメモリの能力も必要ですが、
主に前頭連合野の司る自己抑制の能力を鍛えることができます。

野瀬

自己抑制とは、何かをしたい気持ちを自ら抑えることができるか、ということですね。
子どもたちの『スピード1』のスコアを見てこられて、どのように分析しておられますか?

真栄喜

一般的な小学1年生の場合、スタートして2週間くらいは抑制が効かず、「ボタンを押
してはいけない」のに「押してしまう」ことが多々あります。

野瀬

最初はそうかもしれないですね。トレーニングを続けるとミスは減っていきますか?

真栄喜

はい。減ってきますが、一度間違えると連鎖的に間違えてしまう(抑制が効かなくなる)
ような、「冷静になれない行動」は、その子どもの性格の一面も垣間見えるので、興味深い
トレーニングだと思います。

野瀬

他に子どもたちのどのような面が見られますか?

真栄喜

中学校の特別支援学級の生徒で気づくことですが、その日の情動面の落着き具合は、『ス
ピード1』のスコアにすぐに表れます。

野瀬

面白いですね!トレーニングとは言っても、『スピード1』はゲーム感覚で取り組むこと
ができるものですので、ぜひワーキングメモリ能力や自己抑制能力を鍛えてほしいと思い
ます。
さて、本日は誌面や時間の都合でここまでとさせていただきますが、次回は他のゲームにつ
いてもお話を伺いたいと思います。真栄喜さん、ありがとうございました!

真栄喜

保護者様や指導者の方々に少しでもお役に立てると嬉しいです。
こちらこそ、ありがとうございました。